韓国と中国のアニメの特色と進化
両国共にこの5年でアニメの質が大きく向上した。
外見至上主義 不細工ないじめられっ子がイケメンに変身する

整形水 不細工な女性が美女に変身するが・・・

韓国アニメ「外見至上主義」「整形水」は、どちらも不器量な主人公が美男美女に変身する話。昔の韓国の大ヒット映画「カンナさん大成功です」もそうだが韓国の厳しい外見差別を反映している。
韓国は極端な物質的価値観が蔓延している気がする。
外見至上主義では主人公が高級ブランド品をフル装備して高校に登校し
クラスメートに絶賛されるシーンが出て来る。日本だと逆に「勘違いキャラ」だと突っこまれそう。

韓国アニメは終始自分と周囲の人のルックスや能力・財産・家柄・地位を比較して苦しむ主人公を描いている。
韓国社会の息苦しさが伝わる。同時に家族の絆の大切さを強く訴えるのも韓国作品の特徴である。
フェイク~我は神なり 「新感染」で実写ゾンビ映画を大ヒットさせた監督の社会派アニメ作品

ヨン・サンホ監督の「我は神なり」のようにカルト宗教に走るのも
韓国社会の一面なのだろう。物質主義と精神主義の両極端が韓国社会の特徴のような気がする。社会への風刺や批判が込められているのも多い。
韓国のアニメはリアル寄りの3Dに近い絵でデフォルメ少ないのが多い。リアルなイケメン主人公なのに登場時にバックに花が咲いたり、オーラで風が吹き周囲の人の髪が揺れる特殊効果が面白い。
一方で中国のアニメは2D「アニメ絵」的作品が多い。デフォルメ多用し、すぐギャグ顔になったり主人公が過剰に変身を繰り返したりする。そしてファンタジーがほとんどでエンタメ性強いがメッセージ性は弱い。
唯一出て来る社会批判が自然破壊あたりだけ。共産党独裁国家なので厳しい規制の為に社会風刺や批判が出来ないに違いない。
齢5000年の草食ドラゴン いわれなき邪竜認定
日本の原作を中国でアニメ化した作品 デフォルメしたギャグ絵が多い

羅小黒戦記 主人公の猫の精霊が黒猫→大化け猫→猫耳少年とめまぐるしく変身する

日本でも話題になった羅小黒戦記を見て思ったが、主人公が周囲の精霊と交流するシーンが淡泊過ぎて全く感情移入できない。
中国では1980年代以降生まれた世代はずっと一人っ子政策で兄弟姉妹がいない。1人で育ったせいで人との関係を築くのが不得手だと言われる。それがアニメ制作者にも影響し、作品にも表れているのではないか。
激変する社会の中での自己確立と他者との関係性の苦悩が羅小黒戦記から読み取れる。
リアル志向とファンタジー志向。非デフォルメとデフォルメ。現実社会への批判と自己洞察。韓国と中国のアニメは対照的だと思う。
1/31追記:
2019年の中国3Dアニメ「哪吒 魔童降世」と2021年の実写映画「こんにちは 私のお母さん」を視聴。哪吒 は3Dアニメとして見事な出来。中国アニメ界が総力を上げて作った。「こんにちは 私のお母さん」は過去にタイムスリップする中華SF。
— スピリチュアル野郎 (@matrix80811) January 31, 2023
どちらも80年代以降に生まれた一人っ子世代の心に訴える作品で中国で大ヒットした。両親や祖父母に過大な期待を押し付けられ反抗する一人っ子の怒りと鬱屈を「哪吒 魔童降世」は描いている。 pic.twitter.com/5khx8fTIAf
— スピリチュアル野郎 (@matrix80811) January 31, 2023
対して「こんにちは 私のお母さん」は親や親族の期待に応えられなかった一人っ子の後悔と罪悪感を描写。中国映画は当分親子関係をテーマにした傑作が作られるだろう。 pic.twitter.com/aKjq4Ol1iA
— スピリチュアル野郎 (@matrix80811) January 31, 2023


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